日本技術 Japan technology 2004 8 20
最近は、製造業の国内回帰の傾向が定着しました。
中核技術は日本国内、汎用品は海外という流れでしょう。
今までは、安易な経営が流行し、日本技術が竹光になりそうでした。
国内の技術者をクビにし、人件費が安い外国で生産をするという経営です。
これは、誰でもできる、楽で、頭を使わない経営と言えるでしょう。
しかし、日本技術とは、
科学技術と生産技術が融合した技術のことです。
この二つの技術は、両輪となって働いています。
生産技術が空洞化し、竹光となってしまえば、日本技術が終わってしまいます。
科学技術だけでは食べていくことはできないのです。
サムライが、どんなに剣術が優れていても、
刀が竹光になってしまえば、戦えません。
せいぜい、剣道塾を開いて、食べていくぐらいなものでしょう。
竹光 takemitsu 2004 2 27
「竹光」とは、広辞苑によれば、
竹を削って、それを刀身とした刀です。
本物の刀身は、どうしたのか。
それは、武士が、生活に困って、質屋に売ってしまったのです。
こうして、江戸幕府を支えてきた武士たちが没落していくと、
江戸幕府も、没落していったのです。
しかし、これは、笑い事ではありません。
現代でも、あり得る話です。
たとえば、カメラメーカーの経営者が、経営成績を向上させるために、
社員をクビにして、人件費の安い国で、カメラを生産させる。
こういう方法ならば、短期間で、経営成績が上昇し、株主に喜ばれます。
しかし、これは、現代の「竹光」なのです。
こういう企業は、江戸時代の武士と同じ運命をたどります。